米麹の量
蔵元では、「米麹歩合」と言い、
使うお米総量に対し何十%
米麹を使用するかです。
特定名称酒とは
「本醸、純米、吟醸、大吟醸」と表示するための
ルールです。
皆さまが、良くご存知の「精米歩合」
お米を規定値に磨くと純米吟醸で、
更にお米を磨くと、純米大吟醸。
醸造アルコールを入れると、
純米とは、表示できない。
これらは説明の必要はありませんね。
実は、この特定名称酒のルールの中に
皆さま気付いていらっしゃる方が
少ないと思いますが、
「米麹」を15%以上を使わないと
このルールから外れ、「本醸、純米、
吟醸、大吟醸」と表示してはいけない
大切な規定の一つがあります。
それが、「こうじ米使用割合」です。
酒蔵様では、「米麹歩合」と言います。
これは、あくまでも規定上ですが、
米麹歩合15%では、糖化しない?
「米麹」は、二つの大切な役割がありますが
ここでは、一つの大切な役割
お米粒の中心にある
「でんぷんをブドウ糖に分解する事」
これを中心にお話を進めます。
分解されたブドウ糖を酵母菌が食べて、
アルコールと二酸化炭素に発酵し
お酒になります。
しかし、米麹を15%しか使わないと
分解しません。
米麹菌から出る、アミラーゼと言う
酵素が少なく、デンプンをブドウ糖に分解できないのです。
蔵元様のお話によると、18%以上米麹を入れないと
分解できずに糖化しないと聞きました。
18%でも不安定で、20%以上は使わないと
糖化しずらい。とおっしゃる蔵元さまもいらっしゃます。
しかし、米麹歩合18%以下の純米酒も当然あります。
では、どのようして、ブドウ糖に分解させるかと言ううと
糖化酵素材を入れて、糖化を補助します。
要するに
米麹の量(米麹歩合)を聞けば、
米麹の酵素の力だけで、分解をさせた純米酒か
それとも糖化酵素材の薬品で分解させた純米酒かが
わかります。
生酛純米酒の米麹歩合
生酛純米酒は、米麹を20%以上使うのが
スタンダードです。
40%も使っている生酛純米酒もあります。
逆に、18%以下もありますが、糖化酵素を使った
可能性が高いと言っていいでしょう。
化学合成の食品添加物を
お酒造りに使っても気にされないか
それともなるべくこれに頼らない酒造りを好むかは、
飲み手の皆さまです。
化学合成された食品添加物を多用して造られた純米酒か
なるべくそれらを使わない酒造りかの
判断の一つが、この「米麹歩合と言う量」「総破精、突き破精と言う質」です。
これを蔵元さまや
純米酒に力を入れていらっしゃる
酒屋さんや飲食店さま
当然、取り扱う純米酒の「米麹の量と質」」は、
把握しています。
どんどん「米麹の量と質」聞いて頂き
ご自身のお好みにあった
純米酒を選んで下さい。
生酛一筋10年
料理人店主 おさむ