生酛を極める 生酛純米酒の醍醐味は、「旨味」

生酛純米酒の醍醐味は、旨味 第五話【米麹の質とは】

米麹の質とは、

主に、

1.「米麹の型」

2.「麹菌の菌糸の成長具合」

2つあります。

1. 米麹の型

純米酒を造りために、

主に二種類の米麹の型を使います。

「総破精(そうはぜ)型」と

「突き破精(つきはぜ)型」

総破精型

デンプンをブドウ糖に分解する酵素

アミラーゼ。

たんぱく質をアミノ酸に分解する酵素

プロテアーゼ。

両方の酵素を出せるのが、

「総破精型米麹」

100㎏のお米に、

100gの麹菌の種を使い。

麹室の室内の温度を

25~27℃、湿度を60%
(蔵元様の個性が出てくるところです。)

菌糸をお米の内側や外側、全体に

いきわたらせる。

麹菌の種や時間をかけて

総破精型の米麹を造ります。

突き破精型

デンプンをブドウ糖に分解する酵素

アミラーゼ。

「突き破精型米麹」

米100㎏に

米麹菌の種 40g~5g

麹室の室内の温度を

32℃以上、湿度を30%以下
(蔵元様の個性が出てくるところです。)

蒸したお米の表面を乾燥させる

菌糸は、水分に向かって成長するので

お米の内側に向かって成長し、

乾燥した表面には、菌糸が付きにくい。

2. 麹菌の菌糸の成長具合

どれだけの麹菌の種を使い時間をかけるかで

菌糸の成長具合決めていく。

お米のデンプンやたんぱく質を

分解酵素の強さを決めていく。

要するに

菌糸が、はえたところの分解する

酵素を出し、菌糸の成長具合で、

その酵素の量(分解する強さ)が

違ってくる。

速醸酛の純米酒は、突き破精型を使う酒蔵様が

多いと思います。

生酛純米酒は、総破精型を主に使い、

使う工程によって突き破精型を入れて

アミノ酸の調整をしている蔵もあります。

お米の特徴を一番引き出せる酒造りは?

生酛造り

これ以上にありません。

なぜなら、お米のデンプンをブドウ糖に

たんぱく質をアミノ酸に分解する

酵素の力を強くも出来るからです。

アミノ酸は旨味成分です。

世界唯一のお酒と言われるのが

「米麹」によって「旨味」を

造れるからです。

江戸時代に、

ガスや電気、微生物や発酵の概念が

無かったにも関わらず

「生酛造り」で

「平行複発酵」を行い、

「米麹の量と質」によって、

糖化やアミノ酸を、自在に

江戸時代の蔵人は、凄いと思いませんか?

そして、明治維新の偉人達も

勿論、「生酛」の日本酒を飲んで

近代日本を夢見て。

そんな日本伝統の日本酒製法

生酛造りが、現代に蘇った。

しかし、現代の私たち

世界に誇る日本酒の

「Umami」

しっかりと味わえているのでしょうか?

生酛一筋10年
料理人店主 おさむ

 

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