生酛には、明確なルールが無い
「こうでなければ生酛と言えない」
その基準は、どこに重きを置いていらっしゃいますか?
近年、多くの酒蔵様で生酛造りに取り組まれ
色々な生酛造りのお酒が目に入るようになり、
十年前とは比べ物にならない程
生酛のお酒が、数多く発売をされるようになり
益々、盛り上がりを感じます。
しかし、純米酒や吟醸酒、大吟醸酒、本醸造酒等、
特定名称酒と言い、表示にはルールがありますが、
生酛造りの明確なルールが無く
酒蔵様が、生酛と表示すれば生酛です。
店頭に、生酛と明記してある純米酒があれば
ご興味があれば、手に取る事でしょう。
多くの生酛表示をしている純米酒の中には
「これって、生酛と言っていいの?」といった
物も沢山あります。
生酛造りには、独特の工程、「酛摺」作業があり
これを行えは、「生酛」造りと表示している様です。
私も仕事がら当店で取り扱いをさせて頂く生酛のお酒で
蔵元さまに直接お電話して、生酛造りの詳細を伺っております。
その中で、色々な事を伺いました。
先ほども申しました。
生酛には、ルールがありません。
それぞれの酒蔵様が、「これがうちの生酛」と自信を持って
お造りになられていらっしゃる。
そして、飲み手も皆さまも「この蔵の生酛が大好き」と
お飲み頂ける。
素晴らしい事と思いますし
それが、正に皆さまにとって本物です。
ここで、これが本物でこれが偽物と
私が決める事ではないと思っています。
本物は、ご自身でお決めになる事だと
思っております。
ここでは、私、生酛純米酒一筋10数年の
今までの情報をご披露させて頂き、
生酛純米酒を選ぶ際のご参考に
少しでもお手伝いとお飲み頂いた際に
美味しさ、楽しさが少しでも加われば
幸いです。
生酛造りも色々ある
よく聞くのは、酛摺作業をしたと後に
速醸酛造りに使う人工乳酸を入れる。
これは、やはりセーフティーの為に使う事が多いようです。
そして、糖化酵素を入れる。
各酒蔵さまの主力商品の速醸酛造りの純米酒が
糖化酵素を使った商品であれば
手慣れと安心感で、使われるようです。
そして、生酛造り以外の製法で造ったお酒とブレンド。
生酛造りを初めて又は数年しかされていない酒蔵様は
搾った生酛の印象が、「華やかな香りが無く落ち着いた味で、
固さや酸味があり飲みづらいお酒の印象があるようです。」
これを商品化しても、当蔵のお酒のイメージとかけ離れ
ご愛飲者さまから「これは、違う」と言われかねない。
と、思う蔵元さまもいらっしゃると想像できます。
そこで、主力商品の速醸酛造りのお酒と
ブレンドし、酒蔵さまの特徴のお酒に近づけ
酒蔵らしさを出される。
主に、これらがされた生酛の商品があります。
実際に蔵元さまに伺たお話の中の事です。
これらも、「生酛」と表示された立派なお酒です。
これらも、素晴らしい技術で、美味しいお酒となっています。
これらの事を承知され、楽しまれると素晴らしいですね。
生酛の選ぶ基準は、こちらの記事をご参考にして下さい。
どのような「生酛」を選ばれるか
そのような「生酛」が、未来に受け継がれていくか
生酛造りの正念場の時となるでしょう。
興味品から嗜好品へ
生酛造りの素晴らしさ、偉大さ
そして何より、他の造りでは表現できない
美味しさを、しっかりと味わい、
生酛を飲む意義を必要性を。
いずれすたれる興味品から
生活に欠かせない嗜好品に
この時期にする事が出来れば
素晴らしいですね。
そのためには、
まず、生酛純米の飲み方の基本。
それを踏まえた上で、
皆さまそれぞれの好みの飲み方に
アレンジして頂けると素晴らしいですね。
生酛一筋10年
料理人店主 おさむ